かぁぁぁぁっと。
彼が真っ赤になったのを彼女は見逃さなかった。

*****
「おいたんは、ひ〜んやり、してゆんだねぇ」

小さなマーロンは、17号の手を握って話しかける。

「気持ち、悪いだろ?」

17号は、そんなマーロンの手を振り払うでもなく、だが決して握り返すことはしない。

「なんで?」

マーロンは、至極不思議そうな顔をして17号に問いかける。

「・・・温かいほうが、いいだろ。何となく」

17号はぶっきらぼうに答える。

マーロンは少し悲しそうな顔をしたが、次の瞬間にはぱっと太陽のような笑みを浮かべた。

「ん〜、でもねぇ、まーろんは、おいたんの手ねぇ。
ぎゅぅ〜〜〜ってすゆと、おむねがね、ぽっかぽかすゆんだよ!」

マーロンは、また17号の手を握る。

「なんで?」

今度は17号も小さなぷくぷくした手を握る。

「だって、まーろんね、おいたん、だぁいすきなの!!」