本当になんとなしだったのだろうけど。
彼女にとって、ぶっきらぼうでいた彼は。
一体どうやって彼女に接しようかといつもいつも悩んでいた。
そんなとき、彼女が棚の高い所にあいてある機材に手を伸ばしていたが、届かないらしくて唸っていた。
彼も彼女と大して身長は変わらないが、彼は空中に浮けた。
ひょいっと彼女の指のその先のオイルの詰まっているらしき小瓶を取り上げ彼女に渡した。
彼女が浮かべた表情と、ありがとう、と発した唇の形に。
彼はひどく赤面した。